詩(ウタ)
〈雅致シリーズ〉

1985
ヤマハ(株)
W1800×D450×H500/700/500
メープル・バーズアイ材、ドット・シルクスクリーン、ポリウレタン鏡面仕上げ。

生活の日常性や社会性に地平を持ちながら、一方で効率や機能といった側面から少し距離をおいて、道具や家具に対峙してみる。すると、人の暮らしやふるまいに「晴れ」と「褻」があるように、道具のしつらいにも「真」「行」「草」の構えが見えてくる。
「真」に向かう人のふるまいを家具のかたちに写しとれればと、日本の「床の間」に凝縮されてきたような、抽象性、精神性の表象化を試みる。
不均一な木の情緒性、硬質な金属の質感、伝統的な修辞としての加飾の技法、そして手触りの肌合い。ディテールに神経を注ぎつつ、多重なるハイブリッドな表現への模索でもある。