プラズマ・テレビ
PX-42、PX-50

1998
日本電気(株)
(モニター) W1048×D91×H648
アルミ、プラスティック

多彩な映像ソースに対応するメディアコア。薄く、大画面、高輝度、高画質で次世代スクリーンのトリガーをめざす。アルミ材を主体に使用した硬質でシャープなデザイン。存在感を主張し過ぎずマルチな情報の窓としての新しいライフスタイルの提案。
このプロジェクトの開発テーマは、
◎様々なメディアに対応するインターフェイスとして、どのような形態をとるか。
◎モニターが環境の中で強い主張をしない。しかしハイクオリティ、ハイタッチな質を確保する。
◎新しく楽しいライフスタイルへの提案性をもつ。
◎新規マーケットの創成、のようなものである。
2案をプレゼンテーションしたが、1案の可動壁のようなシステムは先進的過ぎ技術面が確保されておらず、当案のレイアウトフリーのディスプレイ、チューナー、スピーカーを分けた、オーソドックスなタイプの案が採用された。饒舌さのないシンプルで硬質なフォルム。
アルミの押し出し材を多用してシャープで精緻な匡体。


人の住まいを構成する空間と道具の整合性を求めて
−家具から設備、情報機器へ

日本の文化は過去からの連続と不連続が交錯し、それがそのまま生活空間の情景にも投影されている。価値観の多様化・多元化と並行して身の回りにはものがあふれ、混沌に拍車をかけている。そんな中で、きらびやかに表面を装うことではないほんとうの豊かさ、みせかけでない質と精神性を求めるのは容易なことではない。
インテリアデザインといえば主に家具調度を扱うのが常だったが、空調や水回り、調理や入浴のための設備や機器も、もはや欠くことのできない生活機能を支え、生活空間を構成する要素として、もっとクローズアップされてよいはずだ。
中でも情報化社会を支える機器は、家庭内でも急速にその存在感を増している。これは、セキュリティシステムや在宅医療、家電のネットワーク化といったメディアを統合するコアとして、ますます大型化を要求されるディスプレイのありかたへの提案である。物理的存在としても、空間の中での存在感としても、大きくなりすぎない、強く主張しない、かつ機能的にもデザイン的にも高い質を提供する、大型でかつ薄いディスプレイ。「情報の窓」ともいうべき、新しいインターフェースであり、ライフスタイルの提案でもある。